天然木の生命力の素晴らしさ

木は簡単に言うと、天然木と植林木がある。日本の国土の約70%が森林であり、その中の40パーセントは植林材である。残りは雑木類であり、その種類はとてつもなく多品種である。私が扱っている樅の木は天然木で、植林せずに種から生き延びてきた素晴らしい生命力のある木である。

その種の数たるや数万にも及ぶが、1年で芽が出るわけではないのである。何年も何十年も土の中で、芽生えの日を待ち続けてそのうちに死んでしまう種もある。芽生えるためには条件があり温度、水、酸素そして冬の寒さも必要なのです。


天然木樅の木
数万の種の中から、芽生えの仕組みがプログラムされている。その中で育っていくには、光の量や土の中の深さも必要であり、ミズナラのどんぐりのうち、大木になるのは100万分の1以下なのです。

世界で最も高い木はビルの30階建と同じ高さで、樹高はなんと110メートル以上ある。木は光合成をしないと死んでしまう、しかも110メートルの高さまで土の中の養分や水分をあげなければいけない。それは水の張る力とくっつく力である。葉で水が失われると枝や幹から水を引っ張り、水の分子は互いにくっつく力が強く、引っ張りくっつくその繰り返しをして、110メートルの高さまで持ち上げていくのである。素晴らしい樹の力である。

人が生まれる場所を選べないように木も芽生える場所を選べない。種は風に飛ばされ動物に運ばれる。しかし多くは芽生えることなく鳥や動物に食べられ死んでいく。生き残ったとしても、そこにはとても厳しい環境が待っているのである。

 

天然木樅の木

2016.5.16 樅の木の伝道師

平泉中尊寺の木から気を感じる

中尊寺の木

秋田の帰りに、源義経物語ではないけれど、岩手県平泉の中尊寺に行ってきました。人間に魂があると言いますが私はそれを信じます。

というのは、型がないものにすごく大切なものが隠されていると感じているからです。私は木をイヤというほどたくさん見てきました…がしかし、ここ中尊寺の木には魂というものが入っているような気がしたのです。

中尊寺の木
中尊寺の木
 

それは、杉の木も、紅葉も、樅の木も、どの木であっても素性の良い木がひとつもないんですね。歴史を感じると言うか、この木の面々にその当時の武士の魂が入り込んでいるのではないかとさえ感じました。こんなに傷ついても生き延びている木を見ていると、悲しい思いにもなります。(前日に秋田杉の天然美林を見てきたせいかもしれません)でも生命力の強さはどの木を見ても感じます。秋田杉よりも表皮を見た上では、多分樹齢が上かと思います。それは皮の厚さ、枝の太さ、根の太さすべてが秋田の杉を上回っています。

 

やはり人と同じで生きてきた履歴がそこに出てくるんでしょうね。

中尊寺の木から気を感じる

悩んだらここにおいで!天然秋田杉の森へ

今回はモミの木のセミナーではなく、他の目的で仙台に入りました。フィトンチッド研究で日本の第一人者でおられる谷田貝教授に会うためです。、5月21日に秋田の能代にある秋田県立木材加工研究所に車で行こうと思い、約300キロの道のりを楽しみながら、私を含め計5人でワゴン車で移動することが決まっていましたので、前日の20日に仙台入りをしました。

 

谷田貝教授は東京大学の名誉教授でもあり、樅の精油や他の樹木の精油に関しても、誰もが一目置かれる先生と伺っています。私も先生には何回かお会いしていますが、今回私は非常に楽しみで仕方がありませんでした。翌日の5月21日朝、仙台から秋田の能代までクルマで約4時間、宮城県の東北自動車道から秋田に向かう秋田自動車道では、車線も2車線から1車線になることも多く、車の数もずいぶん減りました。私は東名高速を走ることが多いので、車の少ない高速道路はすごく走りやすかったですね。

 

でも、そんなことより秋田県に入ってから…、まぁ分かってはいましたが、びっくりしたことが1つあります。というのは杉の木ばかりで桧の木が無いじゃありませんか…。もちろん広葉樹はありますが本当に桧は道路から見えるところにはありません。桧は確か北海道の南部が最北端であり、秋田には無いということにびっくりしました。あとは広葉樹の中に青森のトドマツがあるだけで秋田杉一色でした。そんな話をしながら研究所に着いたのは正午をまわっていました。

 

秋田県立木材加工研究所

谷田貝教授は私達のために午後から時間を開けてくださっていて、まずは研究所館内を詳しく説明してくださり、外には木を使っての実験棟もあり、いろいろな研究をなさっているとのことでした。約1時間ほど研究所にいましたが、谷田貝教授から「皆さんに日本一高い秋田杉をお見せしたい」と言われ、私は胸をワクワクさせながら山道を走らせること30分!(私は山道の運転は慣れています。ナゼって私は山奥に住んでいるから…)着いたところは林道で舗装もしていな砂利道でした。「着きましたよ」と先生の声…。でも周りにそれらしい木はありません。「エッ、どこにあるんですか?」と聞くと「ここからは歩いていきます!」と……「エッ、そんな!」私もみんなも山歩きをするとは思っていなかったのでスーツ姿に革靴で山道の散策となりました。

 

天然秋田美林
 
秋田美林

少し歩くと私は思わず「キタァー!」と声を出してしまいました。私は写真を撮りまくりましたが、この感動は写真でもビデオでも無理ですね。この秋田杉の天然林の素晴らしさは言葉や文章、写真では伝えきれない、この空気の素晴らしさ、真っ直ぐ伸びた杉の生命力の強さ、既に200〜300年は樹齢があるというのに、いったい君たちはいつまで生きるの?と木に問いかけながら、人間がいかに小さなことで悩んでいるか…まざまざと思ってしまいました。

天然秋田美林

 

天然秋田美林

ヨーロッパでは古くから「病になったら森に入りなさい」という言葉があります。私も「悩んだら天然秋田杉の森においで」と伝えたいですね。今から300年前と言えば江戸中期の時代…この秋田杉は、この場所で風雪に耐え忍び、この場所に生命をあずけ生き抜いてきたことを思うと日本の文化っていったいどこに行っちゃったのかな…と思わずにはいられない。先生曰く、「高さ60メートル近くある日本一の杉の木1本で53坪の家1棟はまかなえる」とのこと。まぁ私がどうこう言っても仕方ないので写真を見てください。本当に素晴らしいと思いますよ。

天然秋田美林
天然秋田美林
天然秋田美林

 

天然の秋田美林を見終わって宿に着き、夕食も一緒にということで、谷田貝先生と一緒に、秋田料理に秋田の日本酒、そして酒の肴は良き友との語らい…

 

(あとは想像におまかせします)

天然秋田杉の森へおいで

きれいな空気と水で開放された心… 

2009.5笠谷峠で開放された心…

 

今回は山の写真を少し載せさせていただきます。というのは、仙台から山形に行くのにいつもは高速で行っていましたが、少し時間があるというのと、道路が冬の期間は閉鎖さえれていて5月に開通になったとのことで、初めて笠谷峠の山道を山形に向かって車を走らせました。

 

常務と2人で残雪がある山の峰を横目で見ながら頂上にたどり着きました。常務が開口一番!「内藤さん、なんて空気がおいしいんだろう!!」私も「本当ですね、目に見えない空気になんで感動しちゃうんだろうね。下界にいると空気のおいしさが判らなくなるなるんだね、きっと!」

2009.5笠谷峠で開放された心…

 

人間はやっぱり正直に出来ているでしょうね。

そして高圧電線の真下で、「蛍光灯を持っていればきっと光るんだろうね」なんて言いながら思わず写真を撮って、峠から山形に向かって車を走らせていたら小さな沢が流れていて、常務が「内藤さん、この水飲めますかねェ〜?」と聞いたので「私は小さな頃から山の沢の水ばかり飲んでいて、この体格(いわゆるメタボ…)になったんですよ。大丈夫!大丈夫!」と言って常務一人だけ、その水を飲みました…。私は下痢をすると思ってのみませんでした……(いえ冗談ですよ。)

 

「ウーン!甘い、美味しい、こなれている」と沢の縁で一人大きな声を出して満足げな顔をしていましたね。「20年ぶりに山の水を飲みましたよォー」とまるで子供にかえったように喜んでいました。

 

きっと、山の空気と沢の水で心のどこかに、すぅ〜と心地よい風が吹いたんでしょうね。この場所、近くにいらっしゃる方には、本当におススメします。道は狭いけど素晴らしい景色と空気と水は保証しますよ。

2009.5笠谷峠で開放された心…

 

皆さんもきれいな空気とおいしい水で、心を開放しませんか?

2009年5月 笠谷峠

木の恵みに感謝する

ご存知ですか? 

なぜ木は二酸化炭素と水分を吸収して酸素を作り出しているかを。

 

それは、太古の昔、地球は二酸化炭素で覆われていた星だったんです。ですから木はその二酸化炭素を栄養源として生き抜いてきたんです。その恩恵を人類はずいぶんと受けてきました。「木」あっての人間だと言えるのです。

 

この大切な木を私たちは建物に使っていますが、木は伐った後もずっと行き続けているんです。ですから木の持っている成分を無くさず、生きたまま使ってあげるのが一番大事です。木を殺してしまうのは簡単です。ウレタン塗装やUV塗装をすれば木は呼吸が出来なくなります。生きている木が持っている調湿作用を止めてしまうなんてもったいないですね。

 

大事なことは、使用する私たちがもっと木の特質を理解し、その恵みに感謝しながら使うこと。設計士さんだって木のことを知らない人が多くなりました。家を建てるには木を知ってからでも遅くは無いんです。人間は生きても100年、でも木の寿命は長く、6000年前のエジプト文明も見てきたんですから。

 

こんなに科学が発達した現代でも、人間は1本の木も創れませんね。そこが木のすごいところ。とてもかなわないし、魅力を感じます。

法隆寺1300年の歴史が今に伝える大切なこととは!

法隆寺の創立と再建に関してはいろいろ議論がなされていますが、今回は総合的な視野から、私なりの現代における木造建築についてまた、それに携わる人達(自分も含め)の心構えに少なからずお役に立てれば幸いです。

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建物を考えるとき、いちばん大切な事はまず土地、では無く本来は地面(地山なのか、もと沼地なのか)が大事な事のように思います。現代は、少子化、限界村落と若い人達は、便利な都会に出てしまう。それは仕方ない事ともあり、都が発展するのは今に始まった事ではない!


次に木造建築の大事な事は屋根ですが、良質の粘土を低温で長時間かけて焼いて作った瓦、これが屋根の命であり、建物の命となります。今はいろいろな商品が出回っているが、今まで持った物は瓦しかない。建物に使われる鉄釘にしても同じ事が言える。低温で長時間練成されたものが必要であり、今200年住宅をと叫んでも使用する材料は如何なものかと?すべて昔のものが良いと言うのではない。ただ日本のすばらしき文化をすて、目新しいものに目を奪われ、自分の感性、心をも揺らぐことが怖い!人は言葉を話し、コミュニケーションをとる事もできる。

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そこで木の話となるが
木はその場所で芽吹いたら、どんな環境にさらされてもそこで一生を終える!だから木は自らの力で(フィトンチッド)身を守り、何千年も生き延びるのである!木は、同じものは一つとしてない。人間も同じである。同じ人はこの世にはいない。古代の工人の素晴らしい事は、その木がどんな癖を持ち、どんな所に使ってもらいたいのか、木と会話しおのおのの特性を生かし、そして木組みをした!現代では、(木のくせを組む)ことなど死語となり、寸法的に組むだけでよい。


最後に、 CR107_L.jpg

木は自然の命を殺さずに生かして使うことが大切な事だと思う.そして、木の心を知り技能、技術を大切にし、見習うべきことは素直に受け入れ何よりも大切な事は、仕事に対する心構えではないのかと思える今日この頃!世の中強い物だけが生き残るわけではなく、進化しつづける事が大事・・・・かな?

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