中尊寺で今と向き合った

6月の初め、岩手県にある世界遺産の中尊寺へ行ってきました。仕事柄、建物や樹の写真が多くてすいません。松寿庵は亡き松下幸之助氏がここに寄付した建物だということです。確か伊勢神宮にも寄付した茶室があったと思います。素晴らしいですね。



毛越寺の写真をみてください。


人はなぜ素晴らしい庭園を見ると心が癒されるんでしょう。池に松、石、そして背景。どこにでもある風景だけれどどこか違う。この礎石を見てください。この上に約900年前には大きな建物が建っていたと言うことです。


そしてこの松や杉を見てください。



この杉の皮の厚さ。多分ですがこの杉の木は300年の樹齢があるかと思います。伊達家によって消失した後に植えられた杉の木だと伝えられているとのことでした。人も年をとると顔のシワが深く多くなりますが、木もやはり同じことです。
写真をよく見てください。杉の木から違う広葉樹の新しい芽が出ています。フシの穴にきっと風や鳥に運ばれほんの少しの栄養でこの子たちは自分の命を大切に育てています。素晴らしいことです。



そしてもう一枚は杉の切り株に新たな木の芽が芽生えています。300年経ったらこの子たちは次の世代の人々の心を癒してくれるでしょうね。
まずはこの1枚、何気なく見過ごせばただの松の木です。

でもこの木は本当に珍しい!というのは本来、松は横に枝が張るのが普通ですがこの松は違う。上へ上へとまるで杉の木のように真っ直ぐ上に枝を伸ばしている。何かこの木は我々に伝えたいことがあるのかもしれない。


この松にも変わったものが巻きついていますね。藤のツルだと思いますがちょっと気持ちが悪いかも…。でもお互い共存共栄していかなければ生きていけないので仕方のないことかな。

中尊寺にも大きな樅の木がありました。この木はもっともっと大きくなるでしょうね。200年後にまた会ってみたいと思います。生きていれば…
この杉の根っこを見てください。


人に踏まれても踏まれても「我が命ここにあり」と頑張っている杉の木がここにありました。本来、根は地中に張るもの。でも多くの人が参拝をしてくれる中、ただ黙ってこの根っこは誰のためでもなく自分の命のためにしっかりと張って生き続けています。素晴らしいことですね。


この竹林も珍しく北に行けば行くほど竹の命は育つことが難しく、ここの竹林が日本の最北端であるのかもしれない。

この杉も素晴らしい。すでに一回転はしていますね。この木も樹齢300年ほどだと思います。製品にするとやっかいな木ですがこの写真で見ると言葉を失いますね。
この3本がくっついている杉の木の間に見えますか?


新たな樅の木が育っています。今後どうなるか分かりませんが何年後かにまた中尊寺に来たら、この樅の木を見たい!それまでガンバレ!
中尊寺の帰りの参道の景色です。



この中に桜の木があります。分かりますか?桜の木というとまずソメイヨシノが有名ですが、いかんせん樹齢が短くせいぜい60年から80年。でもこのヤマザクラは千年はいける。桜の命は短いというけれどそれは花のことかな。この中尊寺のヤマザクラはいったいいつまで生き続けるのだろうか?
2015.6.3・4 中尊寺へ樅の木の伝道師